上福島の地蔵


 

上福島の地蔵(かみふくじまのじぞう)
 お地蔵さまと親しまれている地蔵菩薩(じぞうぼさつ)は、念仏のように死後の極楽浄土を約束するのではなくて、生きている今(現世:げんせ)の幸せをもたらしてくれるとして人びとの信仰をあつめていました。
 安全で平和な生活、田畑のみのりが豊かである事など。
 時代によって人びとの生活は変わりましたが、平穏な日々への願いをこめて今もお地蔵さまをおまつりしています。お地蔵さまはまた、子供をまもってくれる仏です。

 このお地蔵さまは上福島のお地蔵さまと呼ばれています。
 このあたりがむかし上福島村であったことを今に伝えてくれます。
 
 そういえば、念仏供養塔のあったところにもお地蔵さまがありましたね。あちらは下福島のお地蔵さま。そして上福島と下福島の境が道祖神のあったあたりになるのでしょう。
 
 さらに知りたいあなたのために 
向かいの地蔵
 上福島のお地蔵さまが向いている先をみてください。
 国道50号やまわりの建物が増えたことで見通しが悪くなってしまいましたが、実は視線の先には夏保のお地蔵さまが、こちらを向いて建っておいでです。
 50号を真ん中にして向かい合う上福島の地蔵と夏保の地蔵。
 どのようないわれがあるのでしょうね。
 時間があったら夏保のお地蔵さままで行ってみましょう。

地蔵信仰
 仏教の考えではお釈迦様の入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩(みろくぼさつ)がこの世にあらわれ人々を救うといいます。

 それでは弥勒菩薩があらわれるまでのとても長い間、私たちは救われないの?と暗い気持ちになりますね。
 
 でも大丈夫。

 この世を生きる私たちを救ってくれるのがお地蔵さま(地蔵菩薩:じぞうぼさつ)だといわれています。
 お地蔵さまは現世の生活はもちろんですが、死後の輪廻に苦しむ衆生(しゅじょう)も救ってくださる慈悲深い菩薩さまです。

 お地蔵さまは子どものことが大好きで子どもを守ってくれるとか(子育て地蔵、子安地蔵)、わたしたちの身代わりになってくれるとか(身代わり地蔵)、平穏な生活を望む人びとの身近な願い(延命地蔵、地域や交通安全)をかなえてくれるといいます。

 平安時代の中期以降、地蔵信仰は現世に救いを求める人々に信仰が広まっていきました。


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