庚申塔


 

庚申塔(こうしんとう)  

 この石塔は、庚申塔といいます。
 庚申塔は、中国の古い伝説が日本の人びとのあいだで信仰されたことをわたしたちに教えてくれるものです。
 伝説によれば、人の体内には三尸(さんし)という虫がいるのだそうです。
 三尸は人の日頃のおこないをじっと観察していますが、庚申の夜、人が眠ると口から出てきて天帝(てんてい)に日頃の悪いおこないを報告に行きます。天帝はその報告を聞いて、人の寿命を決めたのだとか。
 そこで人びとは天帝に告げ口をされないよう、庚申の夜は一晩中、仲間といっしょに話をしたり飲食して過ごすようになりました。これを庚申講(こうしんこう)といいます。

「庚申の夜」はいつやってくる?
 みなさんは「今年の干支(えと)は何ですか」と質問されたらどう答えますか?
 そう、「申年(さるどし)」です。でもこれは正しくは十二支(じゅうにし)です。
 干支(えと)とはみなさんの知っている十二支と、十干(じっかん)の組み合わせをいます。
 むかしは十干と十二支の組み合わせで年や日、時の順番をあらわしていました。
 10と12を組み合わせると、60通りの組み合わせができます。
 庚申の日もその組み合わせのひとつで、60日に一度めぐってきます。

 銘文から読み取れること
 庚申塔の左側面をみてください。
 「元文五年」は西暦では1740年、江戸時代です。この年はちょうど庚申(かのえさる)の年でした。
 60日ごとの庚申講を続けていた人たちが、自分たちの活動の記念にこの年の11月に庚申塔をたてたのでしょう。
 「村中(そんちゅう、そんじゅう)」とは庚申講の仲間のことで、このあたりはむかし下福島(しもふくじま)という村でしたから、下福島村のみんなでたてた庚申塔だということがわかります。
  
 さらに知りたいあなたのために
 ~十干と十二支のこと~ 
 十干(訓読み・音読み) 十二支(訓読み・音読み)
甲(きのえ・こう) 子(ね・し)
 乙(きのと・おつ)  丑(うし・ちゅう)
丙(ひのえ・へい) 寅(とら・いん)
丁(ひのと・てい)  卯(う・ぼう)
戊(つちのえ・ぼ) 辰(たつ・しん)
己(つちのと・き) 巳(み・し)
庚(かのえ・こう) 午(うま・ご)
辛(かのと・しん) 未(ひつじ・び)
壬(みずのえ・じん) 申(さる・しん)
癸(みずのと・き)  酉(とり・ゆう)
戌(いぬ・じゅつ)
亥(い・がい)
 
  十干と十二支を上から順に組み合わせて、甲子~癸酉まできたら十干の最初にもどり、甲戌、乙亥…と続けてください。61番目の組み合わせは最初にもどって甲子になります。
 みなさんの知っている甲子園球場、歴史の教科書にでてくる壬申の乱、戊辰戦争は、球場のたてられた年、争いやいくさのおこった年の干支が使われています。

 ちなみに今年の干支は「丙申(ひのえさる)」です。
 干支は年だけでなく日にもつかわれます。カレンダーにその日の干支が記されているのもあります。
 今日の干支は何か、家に帰ったら確認しましょう。
 


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